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玉川屋 トークショー「織りもの」のお話 3
これを何で「お召しか」と呼ぶかというと、
十何代目かの徳川の将軍が、大奥での普段にお召しになっていたのがこの織物と言われ
将軍様のお召し物で、「お召し」という呼び名が残ったといわれております。
時の最高権力者が、普段に一番楽に着ていた着物ですから
着やすいお品であったことと思います。
シボのあるお品は、塩沢紬や白鷹紬がしられていますが、
共に強撚糸を使ってしっかりとしたシボのにおり上がっている手織系のお召しです。
また、ジャガードと呼ばれる機械織りのお召しもあります。
手織系のお召しはシボが大きく、ジャガード系ののお召しは細い糸を沢山寄せてシボが細かい、
大きく分けて考えてみると、こういった特徴があります。
ちょっと前に、「銘仙」の名前が出ましたが
日常にもっと着物で生活していた頃は、
日常の普段の生活には、この銘仙を着て
ちょっとしたお出かけにはお召しを着て、なんて事をしていました。
今でこそ染めの友禅のお着物がたくさんありますが
こういったお品が普通の人たちに沢山手にはいるようになってきたのは戦後になってきてからです。
同じシボのある織物であっても、糸使いによって地風はみんな違ってきます。
塩沢の場合は、先ほどお話しした
「右撚り、左撚り、撚っていない、撚っていない」の二本おきの糸の組み合わせが基本ですが
私が今日着ている羽織の生地は、同じ塩沢のお召しではありますが
横段が強く見えるといやなものですから
「右撚り、撚っていない、左撚り、撚っていない」と一本おきの組み合わせなんです。
生地の名称で「一越」とか「二越」とよく言いますが、このことなんです。
織り上がったときには、越す本数が多くなるほどシボは大きくなります。
糸使いや織り方で、織り上がりの地風はいかようにも変わってくるんです。
細かいところでいうと、生地の耳を見てみると糸の渡り方で
生地の越し方が分かります。
また、右寄りだけ、左寄りだけで織ってゆくと撚りの戻る力がみんな同じ方に向いてしまうので
左右の撚りを組み合わせたほうが生地の目が偏らずに着やすいお着物となります。
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